香し庵とは

創作者・砂堂ジルナ

「香し庵」のお香は最初、香りのアーティストである砂堂ジルナの創作による「砂堂庵(さどうあん)」のお香として始まりました。

40年近く前のことです。

彼は自ら香料を買い求め、多くの月日をかけて、様々な調合を繰り返して、オリジナルのお香を作り上げてきました。

画家が絵画を描くように、音楽家が作曲をするように、また建築家が建築デザインをするように香りによる創作に取り組んできたのです。

創作者の想い

「様々な香料が単に混じり合っているのではなく、お互いが響き合いながら音楽的なメロディを奏でるように!」

彼はこの様な想いを持ちながら調合に工夫を重ねました。

そして出来上がった「作品」をクラシック音楽の交響詩(symphonic poem)のように「香りの交響詩(poetic symaroma)」と名付けたのです。
(「symaroma」は彼の造語です)

「香りの交響詩」

「アロマロード・シリーズ」と呼ばれることもある「香りの交響詩」は現在、全部で81作品あります。

  • ユーラシア大陸横断をメインストリートとした「モンゴルの香り」シリーズから「スペインの香り」シリーズまで(作品 No.01~59)
  • 「南・北アメリカ大陸の香り」シリーズ(作品 No.60~67)
  • 「日本の香り」シリーズ(作品 No.68~74)
  • その他(作品 No.75~81)などが加わっています。

ひとつの作品ごとに50~60種類の香料が使われています。

そして「香し庵~こしあん」へ

その後、創作者・砂堂ジルナは2010年に制作のすべてを私、山杉裕史(アーティスト名「燕空(えんくう)」)に譲り、現在に至ります。

私が引き継ぐ際に言われたことはただひとつ。
「全部あなたに任せるのだから、自分の屋号を持ちなさい。砂堂庵を使ってはだめです。」

砂堂庵をそのまま引き継いでいくと思っていましたし、とても好きな屋号でしたので、このことはとても残念でした。

師匠ジルナとの2ショット写真

新しく自分の屋号を決めるにあたって私が大事にしたのは聞き覚えのあるもの、言いやすいものであること。

それに加えて、できれば「〇〇堂」か「〇〇庵」という屋号にしたい。
そこで思いついたのが「こしあん」でした。
本人が「こし餡」好きというのも大きな理由のひとつではありましたが…。

香し庵の「し」が平仮名なのは?

「こ」には「香」の字を、「あん」には「庵」の字をあてることはすぐに決まりました。

でも、「し」にはどの字をあてたら良いのかというのには時間がかかりました。

  • 「志」〜香りの道を志しているから
  • 「詩」、「詞」〜香りのひとつひとつを「文字」や「ことば」、「音」と考えているから

などなど。

随分と迷いましたが、いろいろな意味を持たせたかったので、漢字は使わずに平仮名の「し」のままにしました。