スティック(線香)タイプのお香をつくるわけ
- 消しやすい
スティック(線香)タイプのお香は天地を逆さまにしてお香立てにたてれば、すぐに消すことができます。
焚く時間を決めやすいので、その日の気分にあわせて香りの調整をするのが簡単です。
- 燃える面積が同じ
面積が変わりませんので、最初から最後まで香りのボリュームが同じように続きます。
コーンタイプの場合は、時間が経つに連れ面積が大きくなるので、香りも徐々に強くなっていくのが特徴です。
容器にスクリュータイプのふたが使われているわけ
私が制作を引き継いだ当初、創作者:砂堂ジルナにこのような相談をしたことがありました。
- コルクでふたをするタイプの瓶に変えてみてはどうか?
- 和紙の包装に変えてみてはどうか?
- 小さな箱のようなものに入れてみてはどうか?
これに対して、ジルナはひと言
「香りが逃げやすいものはダメだ!」
私が大事にしたのはあくまで見た目の良さでした。
これに対して、ジルナの考えは作品で最も大事な「香り」を大切にするということだったのです。
数ある種類の中で、香りが外に逃げにくく優れていると考えられているものとして、いまの容器が選ばれました。
そのため、現在もスクリュータイプのふたが使われているガラス瓶になっています。
ひとつの瓶にひとつの作品しか入っていないわけ
お客さまから時折、
「ひとつの瓶には1種類のお香しか入っていないのですか?」
「アソートタイプの商品はありませんか?」
などのお問い合わせをいただくことがあります。
ひとつの瓶に複数のお香を入れてしまうと、どうしてもお互いの香りが移ってしまいますので、作品本来の香りではなくなってしまいます。
そのため、そのような販売の仕方は向いていないと考えています。
ひとつの瓶にひとつの作品のみが入っている点をご了承ください。
ホームページの写真に「懐中時計」を使っているわけ
慌ただしく過ぎゆく日常のなか、せめてお香を焚くひとときの間だけでも「自分の時間」を大切にしていただきたいと思っています。
昨今の時計のデジタル表示でわずかな一瞬で時間を知るのとは異なり、懐(ふところ、ポケット)から取り出し、蓋を開けることで初めて「今」を知ることができる懐中時計は「時の流れの豊かさ」をイメージさせてくれます。
「お香に火をつけて香りを楽しむ」ことと、「懐から時計を取り出して時を知る」ということには、なにか共通した大事なものがあるように思います。